「プレステ3はなぜ失敗したのか?」を読んでみました

さまざまなプラットホームから発売されるゲームを、 新作旧作人気作品マイナー作品を問わず紹介していきます。
FC2 Blog Ranking      ゲーム      家庭用ゲーム      任天堂      SCE      セガ      GetAmped2      COSMICBREAK

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
プレステ3はなぜ失敗したのか? (晋遊舎ブラック新書 (002))

話題の書「プレステ3はなぜ失敗したのか?」を読んでみました。
比較的薄い本ですが、なかなか読み応えがあります。
ゲーム機「プレイステーション3」について書かれた本ですが、ゲーム関連の話題は最初と最後に少しあるだけで、大部分はソニーについて、その中でも「出井体制」時代のソニーについて多く紙面が割かれています。

プレステ3はなぜ失敗したのか? (晋遊舎ブラック新書 (002))
4883806812多根 清史

晋遊舎 2007-09
売り上げランキング : 138

おすすめ平均star
star現実を直視できてない人もいますが
starおもしろうてやがてかなしきソニーかな
star

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

プレステ3はなぜ失敗したのか?(楽天ブックス)

プレステ3はなぜ失敗したのか?(Yahoo!ショッピング)

プレステ3はなぜ失敗したのか?(livedoorブックス)

プレステ3はなぜ失敗したのか?(オンライン書店bk1)


PS3失敗のA級戦犯であり、既に更迭されているSCE前社長「久夛良木 健」氏は、この本の中では社内抗争に敗れた悲劇の天才とも出井体制の中で大きく咲いたあだ花とも取れる感じで描かれています。
しかし久夛良木氏に対しては総じて好意的です、それに対して出井伸之前会長に対してはかなり批判の目が向けられています。
これは、久夛良木氏が技術屋としては確かに秀でていてソニーに対する貢献度もそれなりにあるのに対して、出井氏は先進的で華やかなもの作り企業であったソニーを凋落させてしまった元凶とも言える存在だからでしょうね。
この中盤のソニー本体に関する描写は、常々ウォッチしていた私もよく知らなかったことが書かれており、まさに「備忘録」としても優れていると思います。

ゲーム機としてのPS3については、提灯記事に終始する「ファミ通」など商業誌のライターでは書けない、しかし冷静で中立的な立場で分析されています。
ただ、刺激的なタイトルとバランスを取るためか、かなりPS3を持ち上げている面も多々見られます。
そして最終章で結論付けられたのはやはり「早期の値下げ」です。
これはまあ出来るものなら最初からやっていると思うんですが、とにかくハードを出してしまえば機能も価格もあとからどうにでもなるというPS2以降の悪しき楽観主義が招いた最悪の事態がPS3の現状なのは疑いようが無く、それを打開するには手遅れになる前の値下げというのも致し方ないのでしょうね。

しかし、過去に値下げが功を奏したのは「勝ちハード」に限られており、早い時期に大幅値下げに踏み切った「負けハード」は更に負けイメージが強調されてジリ貧というのがいままでのお決まりのパターンでした。
過去の勝ちハード「PS」「PS2」との後方互換性という今までの「負けハード」に無かった強みを持つPS3は、その前例を覆す事ができるのでしょうか?
これは年末商戦でおこなわれると予想されている値下げと、その時期に姿を見せる具体的な(できればPS3独占の)新規タイトルの魅力にかかっていると思います。
ここで魅力的なビジョンを提示できなければ、もはや生き残りは極めて厳しくなると言わざるを得ないでしょうね。
PS3で10年戦うはずが、今までで一番短命に終わる可能性も十分あります。
しかしその後に「PS4」を投入されることこそが、任天堂やマイクロソフトが最も恐れる事態なのかもしれません。
失敗を失敗と認めて今後の糧にすることは、現在の任天堂の躍進の背景にあると思います。
つまらないプライドを捨てて同じ事をソニーが出来た時こそが、本当の勝負の始まりなのかもしれませんね。

出版社や著者から危惧された「色物系」の本ではなくかなり読み応えがありますので、興味のある方はぜひ一読してください。
特にゲーム系のブログを運営している方なら、手元に置いていて損は無い本だと思いますよ。

関連記事
プレステ3はなぜ失敗したのか?



ブログランキング CoRichブログランキング banner_04.gif


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
PS3
PS3で商売をして得をする人はブルーレイ関係者
だけのような気がw
時代が身軽で手軽なものの利便性へとシフト
している中、ゲーム以外の用途が見出せず
無駄なスペックと現状はなっている感も。

元々ハイエンド趣向というのは自分も好きですし
一定の住み分けの中で基本を保っているのが
ベターだと思いますね。

そうなるとX-BOX360かPS3かという選択を
するユーザーが国内はPS3ということが大半になりそうで。

ただ主流になることは「ハイエンド」というだけあって
ないんですよね。今回は設備投資も高いですし(HDTVなど

そういう意味ではwiiが国民機になるのが妥当というのは
現実を見たら基本ですね(・・・と最近いろんな人がくるので
自重してた自分のブログに書かないことを書いてみる

この本は機会があったら呼んでみたいですね。
2007/09/16(日) 19:49 | URL | marukomu #-[ 編集]
そうですね
ゲーム機でありながら、ハリウッドの映画業界に都合の良いプレーヤーをいちはやく普及させる為の道具に使われたわけですが、その結果増大するコストを回収する目処はとうとう立たず、映画ソフトを供給する業界のみが一方的に得をした感じですね。
(まあ、その中には「ソニーピクチャーズ」も入っていますが)

ハイエンド志向は悪くないのですが、前世代と比較して飛躍的に高くなった消費電力をみると、まさに「オーバースペック」としか言いようが無いですよね。
360の場合は無理がたたって故障率が高過ぎですし、PS3は巨大なファンを内蔵したために過去最大級の巨大なボディになってしまいました。
価格も一般層に普及させるにはあきらかに高過ぎですしね。

不毛な性能競争に加わらず、敢えて性能を抑えた任天堂の判断は本当に的確でした。
何となく、バブル崩壊直後に経済性や低燃費を売りにした新型をタイミングよく売り出した「トヨタ自動車」が思い出されます。
(逆に高級路線に転じようと試みた「日産」や「マツダ」は、バブル崩壊の波をもろに喰らい深刻な経営危機に陥り、結局外資の手に渡ることになります。)

この本は面白いですよ。
ただ、読者のターゲットが明確ではないからか、一時のブームは既に沈静化してしまったようにも見えます。
そのうち古本屋でも買えるようになるかもしれませんね。
2007/09/16(日) 21:04 | URL | ほたるいか #cdJ0MRkQ[ 編集]
私も買いました
土曜日に届いたので、その日に読み終えました。文字も大きく、グラフ等も多かったので、読みやすかったですね。
仰るとおり、『PS3』や『久夛良木氏』の批判というよりも、「『技術のソニー』がいかに迷走したか?」に視点を置いたレポートとして、とても興味深い資料だと感じました。

欲を言えば、もう少し掘り下げてもらいたかった部分があったことですね。
例えば、『PS2がDCに勝てた要因』をきっちりと分析(まあ、ゲームファンは、『PSとの互換性』や『DVDプレイヤーとしての普及』というのは、解っているでしょうけど…)していれば、『PS2の優位性がそのまま、PS3の弱点になっている』とか、『現状では、PS3はDCと同じ轍を踏んでいる』といった、別の主張にも説得力が増すのでは、と感じました。

でも一見、否定的なタイトルをつけていながら、最後に「それでも頑張れ!」とエールを送っている辺り、好感が持てましたし、本当に面白い本でした。
紹介していただきまして、ありがとうございました。
2007/09/18(火) 07:26 | URL | 魔方陣 #gsnX64Yk[ 編集]
まあ「新書」ですから、ボリューム的にどうしても物足りない部分が出てくるのは仕方無いですが、確かに指摘されているような弱みはありますよね。
それは、この本が刺激的なタイトルとは裏腹に「PS3攻撃本」ではないからでしょう。
筆者は、あくまで「ゲームLOVE」の立場を貫いてこの本を書かれているからでしょうね。
(その立場はゲーム部門の敵とも言える「ソニー本体」への批判的な視線へとつながっています。)

この本が誉められるべき点は「読後感が良い」ことでしょう。
ともすれば、「毒大盛り」の内容で食あたりを起こしかねない題材を、どのような立場の方が読んでも不快にならないよう綺麗に締めくくっておられるのはさすがです。
(「出井派」の方は、まあ仕方無いかな・・・。)
著者の多根氏は、いわゆる「色物ライター」として活躍されていた方なのですが、それだけに読者の心を掴む術に長けているのかもしれませんね。

この作品がきっかけとなって、彼が「ゲーム系ジャーナリスト」として一般マスコミにも顔を出せるようになると良いですねえ。
現状では「○ンターブ○イン社長」くらいしかお呼びがかかりませんから、彼らの好き放題ですからねえ・・・。
2007/09/18(火) 09:16 | URL | ほたるいか #cdJ0MRkQ[ 編集]
>著者の多根氏は、いわゆる「色物ライター」として…

はっきり言っちゃうと、現時点では、そういう評価になっちゃいますよね。
別に、某社の社長さんのように、「太鼓持ちになれ」という意味ではなく、
今回の『詰めの甘さ』みたいな部分を解消しつつ、着実に実績を積み重ねて、
独自のポジションを築いてもらいたい、と思います。
2007/09/19(水) 04:11 | URL | 魔方陣 #gsnX64Yk[ 編集]
http://ktane.moe-nifty.com/
公式ブログを見るかぎりは、敢えて「色物」を演じて売り込みに必死な段階という感じですね。
週刊誌(プレイボーイ?)に記事が掲載される可能性もあるらしいですから、もうひと伸びするかもしれませんね。
この本がもっと売れたら、続編でいろいろ補完されるのかもしれません。
2007/09/19(水) 07:37 | URL | ほたるいか #cdJ0MRkQ[ 編集]
あっ、ごめんなさい。前回のコメントは、言葉足らずだったかもしれません。

私は多根氏の文章を、今回の本だけでなく、「コンティニュー」や「別冊宝島」等で読んだ事があります。(もちろん、ごく一部でしかありませんが…。)
そういった「これまでのお仕事」の印象から、『色物』だと感じるのです。
そして、ご本人もこれまではそういうスタンスを、『売り』にして来られたように思います。
(前回、「現時点では」と書いたのは、そういう意味です。)

これからも自覚的な『色物』路線で行かれるのか、それとも新しい方向へ挑戦されるのか…。
今回の本は反響も大きく、私自身も実際に読んでみて、とても面白い本だったので、多根氏の今後の活動がどうなるか、すごく興味深いです。
2007/09/19(水) 23:14 | URL | 魔方陣 #gsnX64Yk[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://gamehotaru.blog63.fc2.com/tb.php/604-0d218d03
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック


アクセスアップ・SEO対策・検索エンジン登録
アクセスランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。